
2025年7月30日――ボクシングファンにとって、この日は記念すべき一日となりました。帝拳ジム所属のライトフライ級ファイター 高見亨介(たかみ きょうすけ) が、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチに勝利し、日本に新たな世界王者が誕生した瞬間です。
今回は、高見選手のこれまでの歩みを、アマチュア時代からプロとしての現在まで、戦績とともに振り返ります。
幼少期〜アマチュア時代
東京都新宿区出身の高見亨介選手は、2002年4月5日生まれ。格闘技との出会いは7歳の頃、ムエタイとキックボクシングから始まりました。8歳で大会優勝という快挙を達成した後、9歳からはボクシングに専念します。
中学時代はサッカー部に所属しながら、放課後はひたすらジムでのトレーニング。通信制の目黒日本大学高校に進学後は、ボクシングに打ち込み、2019年には高校2年でインターハイと国体の二冠を達成。戦績は 47戦43勝4敗 と圧倒的な強さを誇りました。
この頃から「次世代の日本ボクシング界を背負う逸材」と注目されていました。
プロ転向〜世界王者へ
高校卒業後の2021年、高見選手はすぐにプロに転向。デビュー戦は2022年7月2日、後楽園ホールでタイのウッティチャイ・モントゥリを 1R KO で破り、鮮烈なスタートを切りました。
その後も無敗をキープし、2025年4月には日本ライトフライ級王座を獲得。さらに、2025年7月30日にはドミニカ共和国のエリック・ロサをTKOで下し、ついにWBA世界王者の座を手にしました。
高見亨介のプロ戦績(2025年7月時点)
No. | 日付 | 対戦相手 | 国籍 | 結果 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2022/7/2 | ウッティチャイ・モントゥリ | タイ | 1R KO勝ち | プロデビュー戦 |
2 | 2022/10/1 | ファン・インチョル | 韓国 | 2R TKO勝ち | |
3 | 2023/2/4 | レイマーク・アリカバ | フィリピン | 5R TKO勝ち | |
4 | 2023/8/5 | ルーベン・ダディバス | フィリピン | 1R KO勝ち | |
5 | 2023/12/2 | リト・ダンテ | フィリピン | 判定勝ち(3-0) | |
6 | 2024/3/2 | 堀川謙一(三迫) | 日本 | 6R TKO勝ち | |
7 | 2024/7/6 | ウラン・トロハツ | 中国 | 判定勝ち(3-0) | |
8 | 2024/11/2 | ジョマー・カインドク | フィリピン | 1R KO勝ち | |
9 | 2025/4/8 | 川満俊輝(三迫) | 日本 | 6R TKO勝ち | 日本ライトフライ級タイトル戦 |
10 | 2025/7/30 | エリック・ロサ | ドミニカ共和国 | 10R TKO勝ち | WBA世界ライトフライ級王座戦 |
通算戦績:10戦10勝(8KO)無敗
カフェとカネロに憧れる王者
高見選手の戦い方は、オーソドックスな構えをベースにしながらも、鋭いステップとタイミングで仕掛ける「精密さ」と「爆発力」を兼ね備えています。身長166cmとライトフライ級では長身です。攻防の切り替えの速さと集中力で試合を制してきました。
プライベートでは カフェ巡りが趣味。憧れの選手はメキシコのレジェンド サウル・“カネロ”・アルバレス。将来的には「海外での試合にも挑戦したい」と語っており、世界舞台での活躍も楽しみです。
目指すはPFPランク入りと多階級制覇?
世界王座を獲得した今、高見選手の次なる目標は明確です。
- 海外での防衛戦
- 複数団体の統一戦
- さらなる上の階級への挑戦
これらを視野に入れながら、世界ライトフライ級の中心選手として君臨することになるでしょう。
まとめ
小学生の頃に始まったボクシング人生。そこから十数年、地道な努力と非凡な才能で、高見亨介はついに世界王者となりました。
アマチュア時代の実績、プロとしての完璧な戦績、そして「世界の舞台で輝きたい」という意志。彼のこれからのキャリアは、日本ボクシング界にとっても、世界のファンにとっても、大きな期待を抱かせるものです。
次世代の日本ボクシング界の象徴――高見亨介。その名を、これからも世界中が目にすることになるでしょう。