【2025年最新】国交省が置き配を標準化へ!再配達ゼロ時代が到来?

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2024年問題やドライバー不足など、日本の物流業界は今、大きな課題に直面しています。そんな中、国土交通省が宅配便の基本ルールを定める「標準運送約款」を見直し、「置き配」を標準サービスとする新ルールの策定に動き出しました。2025年6月23日に発表されたこのニュースは、私たちの宅配の未来を大きく変える可能性を秘めています。


目次

なぜ今、「置き配」標準化が必要なの?

現在の物流業界は、いくつかの深刻な問題に直面しています。

深刻化する「2024年問題」

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年間960時間という上限が設けられ、これが物流業界に大きな影響を与えています。この労働時間の制約により、ドライバー不足はさらに深刻化し、物流全体の停滞が懸念されています。

物流の大きな負担「再配達問題」

国土交通省の調査によると、再配達率は改善傾向にあるものの、依然として約8.4%と高い水準にあります。この再配達は、物流業界に多大な負担をかけています。

  • 労働力の無駄遣い: 約1割の再配達は、年間約6万人分のドライバーの労働力に相当すると言われています。
  • 環境負荷の増大: 再配達のために走行するトラックが増えることで、CO2排出量が増加します。
  • コスト増加: ガソリン代や人件費など、追加のコストが発生します。
  • ドライバーの負担増: 長時間労働や再配達による精神的・肉体的負担が増加します。

これらの課題を解決し、持続可能な物流システムを構築するために、「置き配」の標準化が検討されているのです。


国交省が検討する新ルールの中身

具体的にどのような変更が検討されているのでしょうか?

「置き配」が当たり前になる?

新ルールでは、在宅・不在に関わらず「置き配」を基本的な配達方法とすることが検討されています。つまり、玄関先への配達が標準となるわけです。

手渡し配達は「有料」に?

現在、一般的な手渡し配達は、追加サービスと位置づけられ、追加料金が設定できるようになる可能性があります。これは、これまで当たり前だった受け取り方法が大きく変わることを意味します。

標準運送約款の改正

現在、置き配に関する規定は「標準運送約款」にはありません。今回の改正で、多くの事業者が利用するこのひな型に、置き配に関する規定が新たに設けられることになります。

今後のスケジュール

2025年内には、有識者会議で追加料金設定や盗難リスクへの対応、責任の所在などについて検討され、具体的な方向性が決定される予定です。


「置き配」標準化のメリット・デメリット

「置き配」が標準化されることで、様々な影響が考えられます。

メリット

  • 物流事業者:
    • 配送効率の大幅な向上:再配達が減ることで、ドライバーの負担が軽減され、効率的な配送ルートが設定できます。
    • コスト削減:人件費やガソリン代の削減につながります。
    • 働き方改革への対応:ドライバーの労働時間短縮に貢献し、人材確保にも繋がります。
  • 利用者:
    • 利便性の向上:在宅の必要がなくなり、時間指定の制約も減るため、好きな時間に荷物を受け取れるようになります。非接触での受け取りは感染症対策としても有効です。
    • コストメリット:基本料金内で配達を受けられるようになります。
  • 社会全体:
    • 環境負荷の軽減:CO2排出量や燃料消費量の削減に貢献します。
    • 物流インフラの持続可能性:ドライバー不足問題を緩和し、安定した物流サービスの提供に繋がります。

課題と問題点

一方で、懸念される点も多くあります。

  • セキュリティ面の懸念:
    • 盗難リスクの増大:玄関先に放置された荷物の盗難や、マンション・アパートの共用部分での盗難のリスクが高まります。
    • 責任の所在の曖昧さ:現在の法的枠組みでは、置き配による盗難は原則として利用者の自己責任とされており、これが大きな問題となる可能性があります。
  • 住環境・地域格差:
    • 一戸建てと集合住宅、都市部と地方など、住環境による不平等が生じる可能性があります。
    • 高齢者世帯や治安の悪い地域では、置き配が難しいケースも考えられます。
  • 商品特性による制約: 冷凍・冷蔵品、高価なもの、精密機器、重量物、貴重品などは、置き配に適さない場合があります。
  • 現行システムとの整合性: 配送会社によって置き配の対応が異なる現状があるため、統一的なルール作りが求められます。

海外の事例と成功へのヒント

アメリカでは「置き配」が一般的ですが、「ポーチパイレーツ」と呼ばれる荷物の盗難が社会問題になっています。これに対し、配送事業者による補償制度の充実やセキュリティカメラの普及が進んでいます。

ヨーロッパでは、宅配ボックスやピックアップポイント(公共のロッカーや商店での代理受け取り)の活用が進んでおり、地域コミュニティとの連携も図られています。

これらの事例から、日本が「置き配」を標準化する上で学ぶべき点は多くあります。


新ルール成功のための提言

国交省の新ルールが成功するためには、以下の点に注力する必要があります。

  1. セキュリティ対策の強化: 宅配ボックスの普及促進、スマートロックの活用、盗難時の補償制度の整備、配送事業者の責任範囲の明確化など。
  2. 段階的導入の検討: 地域別や商品別、住宅種別などで段階的に導入することで、混乱を避け、課題を検証しながら進める。
  3. 利用者教育と啓発: 適切な置き配場所の指導や防犯対策の啓発を行い、利用者の理解と協力を得る。
  4. 技術革新の活用: IoT技術を活用した配達完了通知、荷物の状況監視、自動セキュリティ機能などを導入し、安全性を高める。

まとめ

国土交通省による「置き配」標準化の検討は、日本の物流業界、そして私たちの日常生活に大きな影響を与える重要な政策です。深刻化するドライバー不足と2024年問題に対応するため、置き配の普及は避けられない道かもしれません。

しかし、この変革を成功させるためには、セキュリティ面の課題解決段階的で柔軟な導入技術革新の積極的な活用、そして関係者間の十分な協議が不可欠です。

朝日新聞の報道によると、国交省は年内にも有識者会議で方向性をまとめる予定です。物流の持続可能性と消費者の利便性・安全性をいかに両立させるか、今後の議論に注目していきましょう。

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