NHK連続テレビ小説「あんぱん」が放送され、多くの視聴者を魅了しています。アンパンマンの作者やなせたかしとその妻・小松暢をモデルにしたこのドラマには、阿部サダヲさん演じる謎めいたパン職人「屋村草吉(ヤムおんちゃん)」が登場します。ドラマファンの間では「あんぱん屋村は実在していたのか?」という疑問が浮上しています。今回のブログでは、フィクションと現実が交錯する「屋村草吉」の正体に迫ってみたいと思います。
「屋村草吉」とは誰か?
NHK朝ドラ「あんぱん」に登場する屋村草吉は、阿部サダヲさんが演じる風来坊のパン職人です。「ヤムおんちゃん」という愛称で親しまれるこのキャラクターは、どこからともなくふらりと高知にやって来た謎の男として描かれています。お金にうるさく口は悪いですが、パン作りの腕は確かという設定で、主人公ののぶ(今田美桜さん)と嵩(北村匠海さん)の人生に大きな影響を与える重要な脇役です。
しかし、「屋村草吉」という人物は実在したのでしょうか?
実在しない「屋村草吉」
結論から言うと、屋村草吉は実在の人物ではありません。ドラマ「あんぱん」はやなせたかし氏と妻・小松暢さんをモデルにしていますが、屋村草吉というキャラクターは創作上の人物です。
TVハイシンドラによると、「あんぱんで屋村草吉は、実在する人物ではありません!まず、『あんぱん』は実在の人物である『小松暢』さんを…」と明確に否定しています。
「ヤムおんちゃん」と「ジャムおじさん」の関連性は?
「屋村草吉(ヤムおんちゃん)」というキャラクター名には、視聴者なら誰もが気づく仕掛けがあります。そう、アンパンマンに登場する「ジャムおじさん」を連想させるのです。
「屋村」の「ヤム」と「ジャム」の音の類似性、パン職人という職業、そして阿部サダヲさん自身も「ヤムおじさん」と言及していることから、この連想は意図的なものであると考えられます。

それにしても阿部サダヲさん、ジャムおじさんそっくりだなー。
美村屋の写真に写る屋村草吉の謎
ドラマの第35回(5月2日放送)では、視聴者を驚かせる展開がありました。主人公の柳井嵩が東京の美術系大学に合格し、幼い頃に家族で食べた銀座のあんぱんを買いにパン屋「美村屋」を訪れます。そこで壁に飾られていた写真に、なんと「ヤムおんちゃん」こと屋村草吉の姿が写っていたのです。
この展開により、屋村草吉の過去に新たな謎が加わりました。彼はかつて銀座のパン屋で働いていたことがあるのか、それとも別の関わりがあったのでしょうか。



美村屋で働いていたことは話したがらないので何か嫌な過去でもあるのかしら?
「ヤムおんちゃん」のモデルはやはりジャムおじさん?
ドラマ「あんぱん」の脚本家・中園ミホさんは、屋村草吉のモデルについて「ジャムおじさん」だと明かしています。X(旧Twitter)上でも「阿部サダヲさん演じるパン屋の屋村草吉ってやっぱりモデルはジャムおじさんなんだね!脚本家の中園ミホさんもそう言ってたらしいよ」という投稿がされています。
アンパンマンの世界では、ジャムおじさんは「パンづくりのめいじん。やさしくてこころがあたたかい。アンパンマンごうなどのメカをつくることもある。また、とってもものしり」と紹介されています。この人物像は、ドラマ内の屋村草吉にも通じるものがあります。
屋村草吉は戦争に行っていた?
屋村草吉の謎めいた背景には、戦争の影も垣間見えます。第28回では「戦争なんていいやつから死んでく」と語る場面があり、彼自身が戦争を経験したことがほのめかされています。銀座から放浪の果てに高知に居着いた理由についても謎に包まれていますが、戦争による何らかのトラウマを抱えている可能性もあります。
まとめ 実在しなかった「屋村草吉」
「あんぱん屋村は実在していたのか?」という問いに対する答えは「いいえ」です。屋村草吉は実在の人物ではなく、アンパンマンの「ジャムおじさん」をモチーフに創作されたキャラクターです。
しかし、実在しないからこそ、屋村草吉は視聴者の想像力を刺激し、アンパンマン誕生の背景にある「逆転しない正義」の精神を体現する重要な役割を担っていると言えるでしょう。
ドラマ「あんぱん」では今後も屋村草吉の謎が少しずつ明かされていくことでしょう。銀座の美村屋との関わりや戦争体験など、彼の複雑な過去が明らかになることで、ドラマはさらに深みを増していくことが期待されます。
実在はしていなくても、屋村草吉というキャラクターが視聴者の心に残り、やなせたかしが生涯を通じて伝えようとした「逆転しない正義」の精神を伝える架け橋となっているのかもしれません。フィクションだからこそ描ける真実が、「あんぱん」には詰まっています。