
2025年8月。真夏のマツダスタジアムに新たなヒーロー候補が現れました。
名前は前川誠太(まえがわ せいた)。
京都出身、敦賀気比高校で鍛えられた内野手は、育成選手から支配下登録、そして1軍初出場まで駆け上がりました。
この記事では、彼の経歴、成績、高校時代の活躍、そしてプロでの成長ストーリーを徹底的に追います。
前川誠太の経歴は?
基本プロフィール
- 生年月日:2003年4月4日(22歳)
- 出身地:京都府京都市右京区
- 身長/体重:176cm/69kg
- ポジション:内野手
- 投打:右投右打
- 出身校:敦賀気比高校(福井)
- プロ入り:2021年育成ドラフト2位(広島東洋カープ)
- 背番号:127(2022〜2025年7月)、93(2025年7月28日〜)
父は京都大会で名を馳せたエース投手で、兄も野球経験者という“野球一家”に育ちました。
小学校時代に野球を始め、中学では父がコーチを務める「京都嵐山ボーイズ」に所属。技術と精神面の土台はこの時期に築かれました。
高校時代
前川選手は、福井県の強豪・敦賀気比高校に進学。入学直後から頭角を現し、1年夏に甲子園デビューを果たします。
2年時は新型コロナの影響で全国大会が中止になる中、福井県大会3連覇に貢献。
そして3年夏、5番打者として再び甲子園の舞台へ。
3年夏の甲子園での成績
- 出場試合:3
- 打数:10
- 安打:4
- 打点:3
- チーム成績:ベスト8進出(準々決勝で京都国際にサヨナラ負け)
勝負どころでの適時打や堅実な守備は、高校野球ファンにも強い印象を残しました。
守備ではショートとしての広い守備範囲、深い位置からの正確な送球が持ち味。打撃では広角に打ち分ける技術とミート力が光りました。
プロでの成績
2021年の育成ドラフト2位で広島に入団。即戦力というよりは将来性を買われた形でのスタートでしたが、着実に成長を遂げていきます。
ウエスタンリーグの成績
年度 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 50 | 86 | 17 | 0 | 11 | .198 |
2023 | 56 | 124 | 23 | 1 | 6 | .185 |
2024 | 64 | 148 | 41 | 3 | 13 | .277 |
通算 | 170 | 358 | 81 | 4 | 30 | .226 |
特に2024年の打率.277は大きな飛躍。課題だった打撃フォームの安定や、右方向への打球が増えたことが好結果につながりました。
2025年も2軍で好調を維持し、7月27日時点で打率.286、20打点をマーク。
その結果、7月28日に支配下登録され、わずか8日後には1軍初出場というスピード昇格を果たします。
プロ入り後
- 1軍初出場:2025年8月5日(対DeNA)
- 初安打・初打点:2025年8月7日(対DeNA)
- 初先発:2025年8月8日(対中日)
デビュー直後の成績は
4試合/打率.444/OPS 1.111/二塁打2本/3打点
と、少ない打席数ながらインパクトを残しました。
プレースタイル
- 打撃:広角に打ち分けるセンスと勝負強さ。コンパクトなスイングから長打も狙える。
- 守備:ショート・セカンド・サードを守れる器用さと堅実な守備。深い位置からでも安定した送球。
- 性格:努力家で負けず嫌い。育成出身らしい泥臭さと探究心を併せ持つ。
彼の成長の裏には、「父を超えたい」という強い動機と、育成枠からでも必ず上に行くという覚悟があります。
プロ入り後、体重を9kg増やすなどフィジカル強化にも徹底して取り組み、着実に結果へとつなげてきました。
今後の展望
まだ1軍での経験は少ないものの、打撃内容や守備の安定感から、今後の出場機会は確実に増えていくと予想されます。
特に内野のユーティリティ性は、長いシーズンを戦う上でチームにとって大きな武器。
課題は、プロの球速・変化球への対応力をさらに高めることと、長打力の底上げです。
まとめ
前川誠太とは
- 高校時代に甲子園3度出場・ベスト8
- 育成から支配下、1軍昇格まで駆け上がった努力家
- 打撃・守備ともに成長を続ける広島の若手内野手
2025年夏、ついにその才能が1軍の舞台で花開き始めました。
これからの一打席、一守備が、彼のキャリアとカープの未来を大きく動かしていくことでしょう。