大相撲の世界は伝統と格式を重んじる日本の伝統文化の一つです。
番付による上下関係がはっきりしており、そのため圧倒的な権力が発生してしまいます。
今回横綱に昇進した、大の里ですが横綱になったことにより、付け人が3人から10人に増えるそうです!
最近話題となった二所ノ関部屋の幕内力士・大の里による後輩力士へのいじめ問題は、相撲界の抱える構造的な問題を浮き彫りにしました。
このブログでは、この事件の詳細と背景、そして相撲界における兄弟子と弟弟子の関係性について考察します。
大の里いじめ事件の概要
2024年4月、日本相撲協会は西前頭5枚目の大の里(23歳)が20歳未満の幕下以下力士との飲酒で厳重注意を受けたと発表しました。しかし、この問題はただの「未成年との飲酒」という単純なものではありませんでした。
週刊新潮の報道によると、実態はより深刻で、大の里は19歳の幕下力士に対していじめを行い、たびたび飲酒を強要していたようです。
被害者の力士は望んで酒を飲んだのではなく、大の里が先頭に立っていじめをエスカレートさせていったということです。
さらに、大の里は当該力士に無理やり酒を飲ませ、その様子を見て笑っていたという証言もあります。
この問題は二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に報告され、日本相撲協会による調査の結果、大の里と親方に厳重注意の処分が下されました。しかし、週刊新潮の記事によれば、協会がこの問題を公表したのは同誌が直撃取材をするまで隠蔽していたとも報じられています。
相撲部屋におけるいじめの構造的問題
相撲部屋という閉鎖的な環境において、いじめや暴力の問題は珍しくありません。角界のOBも「よくあることだし、この先もなくならない」と述べています。
その理由としては以下のような点が挙げられます
- 閉鎖的な環境: 「生い立ちや年齢が異なる思春期の少年たちをひとつ屋根の下の閉鎖空間で生活させる」ため、トラブルが起きやすい環境にあります。
- 厳格な番付社会: 大相撲は厳格な番付制度に基づいており、関取になれば付け人がつき、タニマチ(スポンサー)からもちやほやされます。この構造が上下関係を強化し、時にパワーハラスメントを生み出します。
- 管理体制の問題: 二所ノ関部屋の場合、部屋のマネージャー的存在である前田一輝氏の存在も問題視されており、「部屋の人間関係がグチャグチャになってしまった」と指摘されています。
- 師匠の監督不足: 二所ノ関親方については「前田がさまざまな情報を報告してくるので、それだけで安心して、部屋がきちんと管理できていると勘違いしてしまった」との見方もあります。
処分の軽重に関する議論
大の里のいじめ問題について、日本相撲協会が下した処分は「厳重注意」のみでした。
これに対し、同じく2024年に問題となった宮城野部屋(元横綱白鵬)の北青鵬による後輩力士への暴行事件では、北青鵬は即引退、宮城野親方は2階級降格と報酬減額の処分、さらに部屋の当面閉鎖という厳しい処分が科されました。
この処分の違いについては、以下のような見方があります
- 不祥事の内容の違い: 北青鵬の暴行は「表現するのもためらう」ほど凄惨なものであり、刑事事件に発展してもおかしくないレベルだったとされています。
- 師匠の対応の違い: 宮城野親方は問題隠蔽の疑いがあったのに対し、二所ノ関親方は(遅まきながらも)問題を報告したという違いがあります。
- 協会内部の力関係: 元横綱白鵬に対する協会幹部の「積年の嫌悪感」も処分の厳しさに影響した可能性も指摘されています。
世間の声は?
大ノ里には、自分より弱い力士たちに対しても敬意を持って接し、人間的にも優れた大横綱に育ってほしい。
部屋への処分も二所ノ関部屋と宮城野部屋での差が違いすぎるし、このあたりは今の相撲協会への不信感が高いところ 大の里が横綱になって、自分の立場を自覚してくれたら良いけど、調子に乗ってしまったら、協会はどうするのだろうか
相撲の横綱には文字通り強さだけでなく品格が問われます。そこを自分で改善していけるか、そして部屋の親方や相撲協会が忖度せず指摘していけるのかに注目したいです。
大の里はたしかに強いし良い相撲を取っていると思いますがこれからは心技体の心の部分を成長させないと大横綱にはなれないだろう。本当の横綱とは成績は勿論だが振る舞いも大切、横審も素行が悪ければ問答無用で解雇してもいいと思います。
まとめ
大の里のいじめ事件は、相撲界に依然として存在する構造的な問題を浮き彫りにしました。
「かわいがり」と呼ばれる厳しい指導と、許されないいじめや暴力の境界線を明確にし、全ての力士が安心して稽古に励める環境づくりが求められています。
兄弟子としての責任を自覚し、後輩を育てる立場にある力士たちには、技術だけでなく人格者としての成長も求められています。